梅雨に逆戻りしたかのような雨が降ったり止んだりの真夏らしくないお盆休みでした。
この1週間お休みを頂いておりましたが今週よりレッスンを再開致しました。
久しぶりに会うESI PIANO STUDIOの生徒さんたち。
ほんの1週間ぶりなのですが何故か長く会っていなかったようで、皆さんの元気な顔を見てホッとする思いでした。
沢山のお土産と共に楽しい思い出話も聞かせてもらいました。
ありがとうございました。
この休暇の間に私がしていた事、それは8月の恒例行事である発表会の選曲です。
Sa.c.とSp.c.の皆さんのほとんどの方はご自身で選曲して頂いて既に取り組んで頂いておりますが、Ch.c.とJr.c.の小さな生徒さんたちの選曲は1人につき2、3曲の候補を考えておりました。
今回3回目のピアノ発表会開催となりますが、生徒さん1人1人曲の好みもそれぞれである様に、発表会に対しての思いもそれぞれである事をこれまでで学んで参りました。
『少し難しい、カッコイイ曲に挑戦したいな』
『確実な所でじっくり時間をかけて練習し、本番では完璧な演奏を目指したいです!』
『有名な曲で自分のレパートリーを増やしたい』
などなど。。。
かねてよりヒアリングしていた好みを元に、無理なく取り組めるものから少し難しいであろうものまで列挙するとなると、最終的には1人につき3〜5曲の候補となり、更にその2〜3倍の曲を弾かなければならず、教室は休講であったものの可愛らしい曲に満ち溢れておりました。
また子供向けの曲と言っても疎かにする事は決してできません。私が
どんな場でもピアノを聴いて頂く時
『この曲に初めて触れるのなら、どうかこの曲を好きになってくれますように』
という思いがいつも心に浮かびます。
例えとして1つ思い出話を。。。
Budapestに住んでいた時にフランス人の友人たちとディナーに出掛けました。
ちょっと高級なフレンチレストランでホールスタッフもフランス人とフランス語が話せるハンガリー人。
「メニューは任せて」とフランス語で次々にオーダーしていく友人たち。
そしてメニューは見ずに何が来るのかワクワクして待っていた私。
そして待ちに待ったメインの肉料理。
一口食べて「マズイ!何これ?」
鶏肉と説明されていたものの、どうも違う気がする。。。
ずっとその事を言い続けていた私に友人たちはやっと正体を打ち明けてくれました。
それは『ウサギ』でした。
あのモフモフの可愛いウサギが頭に浮かび、かなり引いてしまった思い出。。。
見た目などから食べずして嫌いと言う『食わず嫌い』は私の主義ではないので何でも一度は試してみようと思っておりますが、一度食べて嫌いと思ったものに再チャレンジするのはとても勇気のいる事で、私は今後も余程の事がない限りウサギにはチャレンジしようと思いません。
「確かにこれはあまり美味しくないけど、本来ウサギはとても高級で美味しいんだから!」と友人たちのフォローがあっても、です。
初めて食べる物がどう調理されているか、その人にとって『こんな美味しい物があったんだ!』と感じるかどうかと、初めて聴く曲がどう演奏されるか、その人にとって『こんな美しい曲があったんだ!』と感じるかどうかはとても似ているように思います。
この世に星の数ほどあるピアノ曲のほんの一部しか知らない小さな生徒さんたちにとっては、恐らく私の選択した曲のほとんどが見ず知らずの曲たちでしょう。
更には歴代の作曲家たちがピアノを勉強している幼い子どもたちにも素敵な曲に触れて欲しいとの願いから、心を込めて残してくれた作品たちです。
その曲を気に入って今後も聴いたり弾いたりし続けて(食べ続けて)もらえるか、または『もう二度とごめんだ』と思われてしまうか、演奏(調理)する私の腕次第と考えると、その責任は大変重いのです。
生徒さんたちに『この曲も弾いてみたいな』『この曲も素敵だな』と大いに迷ってもらえたらとの思いで、いつもより大き目の音符をマジメに追いかけていた1週間でございました。
今週で次々と演奏曲が決まり、どんな発表会になるか少しずつ見えて参りました。
今回も素敵なプログラムになりそうです。
皆さん、どうぞご期待下さい!
東京都墨田区にて
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